Volunteer Story: 大谷苑子さん(子どもの保護:カザフスタン)

国連ボランティアとしてユースフォーラムに参加し、若手専門家としての経験を共有するとともに、若者のエンゲージメントとエンパワーメントの重要性を強調している様子 @UNV, 2026

 

カザフスタンでは、子どもたちがこれまで以上に長い時間をオンラインで過ごすようになりました。インターネットは、学び、友人とつながり、世界を知るための新たな機会となりますが、同時に子どもたちを暴力、搾取、虐待にさらすリスクもあります。技術が急速に進化するなか、子どもたちが直面するリスクもまた急激に拡大しています。国民の3人に1人が子どもであるカザフスタンでは、子どもの保護制度の脆弱性が大きな課題となりうる環境でした。

こうした課題に取り組んだのが、大谷園子さんです。カザフスタンの国連児童基金(UNICEF)で国連ボランティアとして活動した大谷さんは、Child Safety and Protection Specialistとして、子どもたちを取り巻くデジタル環境をより安全なものにし、日常生活における子どもの保護を強化するための取組を支援しました。

「啓発キャンペーンでは、学校やソーシャルメディアを通じて140万人に情報を届け、オンライン・オフラインの双方で、子どもたちにとってより安全な環境づくりを呼びかけました」と大谷さんは振り返ります。カザフスタンでは、社会的支援を必要とする子どもや家庭が必要な保護サービスを受けやすくなるよう、専任のソーシャルワーカーを配置した「子どもの権利保護局」が州および地区レベルで設置され始めています。

大谷さんは、世界的な動向を分析し、カザフスタンの子どもの保護制度の改善を支援するとともに、オンライン上で子どもたちが直面するリスクについてパートナー団体とともに啓発活動に取り組みました。また、大谷さんのチームは国際的な専門家の協力のもと、オンライン上の子どもの性的搾取・虐待(OCSEA)に関する能力評価を実施しました。その結果を踏まえ、法執行機関、サイバーセーフティの専門家、子どもの保護に携わる専門職、教員を対象とした研修プログラムの開発につなげました。

UNICEFカザフスタンのチャイルド・プロテクション・スペシャリストであるクンディズ・トゥラバイ氏は、「大谷さんは高い感情知性を発揮し、常に前向きで敬意を持った姿勢を保ちながら、プレッシャーのかかる状況でも効果的に仕事に取り組みました」と語ります。

活動を振り返るなかで、大谷さんが得た大きな学びの一つは、この活動を支えた「パートナーシップ」でした。デジタル社会における子どもの保護は一つの組織だけで実現できるものではなく、政府、教育関係者、テクノロジーの専門家、企業、市民社会の団体など、さまざまな立場の人々が一つになり共通の解決策を見いだす必要があります。こうした異なる分野をまたいだ協働を通じて、大谷さんは変化を生み出すために必要な視点をより幅広く身につけ、複雑な課題に取り組むうえでの協働の力を実感したと振り返ります。

「政府レベルの活動やオンライン上の子どもの性的搾取・虐待(OCSEA)のような新たな課題に取り組む実践的な経験を積むとともに、子どもの保護制度の強化について理解を深めることができました。また、UNICEFの国事務所、地域事務所、本部がどのように連携し、一体となって機能しているのかについても理解を深めることができました。」

 

カザフスタンにおけるOCSEAやジェンダーに基づく暴力に関する若者の視点と経験を理解するため、U-Reportの調査データを分析する様子。©UNV, 2026

 

「さまざまな分野の関係者と協働したことで、UNICEFの組織内外で有意義なつながりを築くことができました。こうした経験を通じて、子どもの権利の推進に必要なスキルを身につけることができました。」

 

カザフスタンに来日したユース担当国連事務次長補のフェリペ・ポーリエとともに。©UNV, 2026

 

大谷さんは外務省の「平和構築・開発におけるグローバル人材育成事業」を通じてUNICEFカザフスタン事務所に派遣されました。同事業では大谷さんのように国連・国際機関において平和構築や開発課題を解決する意志を有する日本人を国連ボランティアとして1年間国連機関に派遣しています。選出された候補者は国連ボランティアとして派遣される前、4週間の国内研修に参加します。

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本ボランティアストーリーはUNV本部のサイトに掲載されました。

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