UNVが若者のボランティア活動を推進する信託基金を設立

モロッコのイグイワズで行われた気候変動のワークショップに参加する若者たち。(UNDP CBA Baptiste de Ville d’Avray, 2010)

ニューヨーク・ボン:国連は、若者のボランティアリズムを推奨し、するための信託基金を設立されました。若者に投資し、その潜在能力を活用することは、若者の生活を豊かにするだけでなく、ミレニアム開発目標(MDGs)と持続可能な開発の達成に貢献すると考えられています。
国連開発計画(UNDP)と国連ボランティア計画(UNV)によって発表された、この若者のための新しい信託基金の設立は、現在策定中の国連ユース・ボランティア・プログラムの発展にとって重要な通過点であるといえます。
また、この基金の設立は潘基文国連事務総長の5か年行動計画の発表からちょうど一年目に発表されました。この5か年行動計画には、特に国連ボランティア計画(UNV)が中心となって創設する「国連ユース・ボランティア・プログラム」の構想も含まれています。
国連システムが長年支持することで、ボランティアリズムは開発の本質と歩みを変革させる有効な手段として広く認知されるようになり、自助、団結、社会の絆といったボランティアリズムが内在する価値に光をあててきました。
ヘレン・クラーク国連開発計画(UNDP)総裁は「若者はボランティア活動を通じて、自身の所属するコミュニティに変革をもたらすような社会参画への強い意志を育むのです」と話しています。
また、「若者の参加とボランティア活動は持続的な人間開発を達成するために必要不可欠であり、UNDPは国連ユース・ボランティア・プログラムをはじめとした若者の育成推進を最重要課題と位置づけて活動していく」とも述べています。
この信託基金は今年度の後半に発表される予定の様々なユース・ボランティアのモダリティを策定し、実施するための財政基盤として提供されます。この国連ユース・ボランティア・プログラムは最終的には、毎年数千人の若者が世界中で参加し、平和と開発の実現のために活動することが期待されています。
また、この信託基金は、UNVが、若者の自発的活動への参加を直接促すような、若者のボランティア活動の構想を支援したり、支援対象国の政府機関が、自国や、地域の若者のボランティア・スキームを発展できる能力を強化するために利用されます。リチャード・ディクタスUNV事務局長は「私たちは、ユース・ボランティアのモダリティを含むユース・プログラムの策定と実施のために、少なくとも500万ドルが必要であると考えています。ですので、最初の財政支援としてドイツ政府から150万ドルを出資頂いたことを大変歓迎しています。私たちは、プログラムをより良くしていくために、さらに多くのパートナーからの支援を期待しています。より多くの財政支援は、世界中のより多くの若者への支援につながります」と話しています。
UNVは、現在進行中の若者のボランティア活動に対する支援として、87人の国際ユース・ボランティアを50カ国の途上国に派遣しています。このユース・ボランティアの派遣は、ベルギー、チェコ共和国、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、そしてスイス政府と、大韓民国の財団、日本、そしてスペインの大学との協力によって支援されており、今後もUNVは信託基金に参加する支援者を募っていく予定です。
また、UNDPとUNVはヨルダン出身のアハマド・アルヒンダウィ氏が国連事務総長のユース特使として任命されたことを祝福し、今後、アルヒンダウィ氏と共に地球規模の若者についての課題に取り組んでいくことを期待しています。